強みを生かした “美容室作り”

あなたは、自分の美容室と、他の美容室との違いは何かをすぐに答えられますか?
さらに、お客様にとって、あなたの美容室をリピートしたいと思われるポイントは何でしょうか?
今回は美容室にとって大事な「お店の強み」を考えてみましょう。


1.美容室業界の現状

まずは、現在の美容業界を表す数字をご紹介します。

平成30年度衛生行政報告例の概況によると、全国の理容所と美容所の合計は、約45万件でした。
年々理容所は減少しているものの、美容所の増加は周知のとおりです。

空前の美容師ブームが去り、新たに美容師になる人は減っていますが、新規出店数は伸び続けています。増加する美容業施設1店舗の従業者は、「1人」が32.4%。「2人」が28.2%。「3人」が12.3%。「5~9人」が7.4%となっており、5人未満が全体の約8割を占めています。
参照:美容業の実態と経営改善の方策(抄) 厚生労働省

一方、お客様がカットにかける年間支出は、10年前からほとんど変わっていません。しかし、パーマやカラーにかける支出は減っています。

10年前と比較すると、店舗数は、約2万5千店舗増加しており、美容室業界のお客様争奪戦に終わりは見えません。

小規模美容サロン美容室が多くを占める業界ですが、大手美容室であれば、資金力によりインターネットの情報サイトやクーポンなどを活用し、新規集客も安定した集客手法で幅広い客層を獲得し経営することが可能ですが、個人美容室では集客のために多くの資金を投入し続けることは容易ではありません。
個人美容室では、新規集客に力を入れるのではなく、一度来店されたお客様をいかにリピートしてもらえるかが勝負です。

今回は、小規模美容室でも集客を効率的に行う方法をご紹介します。

2.美容室の方針

まず、タ―ゲットを絞りましょう。大きなところでは、年齢、性別を絞り込みます。

ターゲットとする顧客層を絞っておくと、集客がしやすくなります。お客様が美容室選びをするとき、条件を絞り込んだ方が、自分に合う美容室を探しやすくなるように、美容室側からしても多くの美容室に埋もれて選ばれるより、条件を絞られた中から選ばれる方がマッチしやすくなります。もちろん、ターゲットに付随する人が来店されることもあるでしょう。
そして、ニーズに合わせたサービスが提供しやすくなることで、顧客満足度も高まりやすくなるというメリットもあります。

■例えば、乳幼児のいるママさんをターゲットにする
プレイエリアを準備して、おもちゃや絵本を準備し、保育士資格を持った人が施術中見ていてくれるとしたら、ママさんは安心して髪を整えることができます。乳幼児を抱えるママさんは、子どもとなかなか離れられなかったり、お店に入るのも遠慮してしまいますが、ウェルカムな姿勢を示してくれる美容室なら安心できますし、更にママ友にも紹介の輪が広がるかもしれません。こういった時にファンになってくれたお客様はその後も通い続けてくれる確率が高まります。
また、保育士資格を持っていても、復職していない人は実は多くいます。そういった人をレセプションとして雇ってみたり、完全予約制にしてパートとして雇えば、雇用の創出にもなります。

■例えば、お酒がのめる美容室
ドリンクを充実させている美容室は多くありますが、お酒やこだわりのスウィーツなど、「まさか美容室でこんな体験ができるなんて!」と思われるようなサプライズがあるのは、おもしろいですね。
「髪を切っている間、会話に困る」というのは、美容師側もお客様側からもある困り事です。髪をキレイにしてリラックスしている間、お酒ものんでさらにリラックスした気分になれれば、仕事帰りに立ち寄ってくれるサラリーマンや、地域密着型で近所の人が集まりやすい空間になるかもしれません。

ターゲットを絞ることは、美容室の広告効果としても分かりやすくなるため、美容室の特色をはっきりさせることで、競合から、一歩飛び抜けることができます。

3.美容室の強み

今後の経営方針で改善したいことでは、約半数の美容室が、「接客サービス」と回答しています。
どの美容室も分かってはいるけれど、どう改善すれば良いのかが分からないのが現状です。

美容室の特色を出す上で、考えるべき視点は3つあります。

1)「モノ」の強み

メニューの見直しをしましょう。メニューの見直しには、2つの視点があります。

1つ目は、メニュー構成です。
先ほども述べたように、カット・カラー・パーマなどこれまでの主要なメニューは年々客単価が下がりつつあります。しかし、単価が上がっているメニューもあります。それは、縮毛矯正、エクステ、トリートメント・ヘアセット・まつげエクステなどです。このようなオプションメニューに力を入れてみるのはおススメです。

2つ目は、オプションを追加するだけでなく、「見せ方」を考えましょう。
単なる「カット」ではなく、「似合わせカット」「再現カット」など、「カット」に対して装飾語をつけることでお客様の心に響くワードをセットにしたメニュー名をつけましょう。メニュー名にこだわることで、お客様が受けるイメージも広がります。お客様の「キレイになれるかも」「理想に近づくかも」と想像力を高められれば、予約への道が近付きます。

2)「場所」の強み

あなたの美容室は、どこに立地しているでしょうか。そして、どんなこだわりで内装や外観を創られたでしょうか。
美容室を出店するとき、立地やお客様を迎える空間には様々な想いを込め決定されたと思います。お客様にどう過ごしてもらいたいか、そんな願いをアピールポイントの1つに入れることは、他の美容室とは必ず違うあなたの美容室の大きなポイントです。
是非、創業時、創業者の想いを文字や写真で届けてください。

3)「人」の強み

スタッフの得意分野や長所を明確にしましょう。
例えば、
■技術的なアピールなら
・カットなら、ショートが得意!
・カラーの絶妙な色味を創り出すのに自信がある!
・どんな髪質の人でもサラサラの髪に甦らせる!

■サービスのアピールなら
・全てのメニューに炭酸泉付き!
・ほっとやすらぐ無添加サービスドリンク20種類!
など、
おもてなしもアピールポイントになります。

これらの人やおもてなしのアピールポイントは、新たにつくり出すこともできるし、リニューアルすることもできます。ターゲットとするお客様に求められそうなことをアピールポイントにできれば、さらにお客様に選ばれやすくなります。
自分のお店のターゲットとする層と、提供サービスが合っているかどうかも大きなポイントになります。提供したい人に、求められ、喜ばれるサービスが統一されてこそ、美容室の特色がより強くなり、自然とお客様が増えていきます。
それがマッチしていれば、お客様のリピート率も上がるでしょうし、より良くなるための指摘やヒントももらえるかもしれません。


個人と個人の繋がりが肝となる個人経営美容室では、美容室特有の強い色を出し、そこに愛着を持ってもらえる美容室にしたいですね。

美容室の強みを明確な表現で最大限に生かし、効率的な集客に活かしてくださいね。

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