美容室予約をする場合、現在はWEBからの予約が半数以上です。その中でも美容室の集客ポータルサイトを利用した予約は多く、数多く掲載されている美容室の中から集客するためには、より魅力的で選びたくなるメニューが掲載されていることがマストです。
ただ、より魅力的に見せようとするために大袈裟な表現等でお客様に誤解を与えてしまうようなことがないように注意しなければなりません。
今回は美容室の集客率アップを実現するために知っておきたいメニュー名の考え方や作成時の注意点などをピックアップしつつ、WEB予約の集客率をアップさせるためにできるちょっとしたテクニックも一緒にご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
目次
美容室の集客率をアップさせるメニュー名を作成する際に注意すべき規制と法律
メニュー名によるお客様とのトラブルを防止
まずはじめに、日本ではあらゆる事業に対して消費者を守るための規制や法律があり、それは美容や健康サービスを提供する事業に対してももちろん適用されます。美容室を経営するうえでこのような規制や法律は非常に重要です。
ここでいま一度特に注意すべき2つの法律をおさらいしておきましょう。
(1)不当景品類及び不当表示防止法(通称:景品表示法・景表法)
景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制し、不当な表示による顧客誘引を禁止する法律です。消費者がより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守るものです。
(2)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称:薬機法)
薬機法は、基本的には医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の品質・有効性および安全性を確保することを目的とした法律で、保健衛生の向上を図ることを目的としています。
特に美容室で販売するヘアケア、エステなどの美容サロンで販売する化粧品類、美容機器などについては注意が必要です。
販売会社の誇大広告で効果・効能を消費者が誤認し使用してしまった場合、人体に影響がでる可能性があります。 そういった事を事前に防ぎ、消費者の安全を守るため薬機法というルールが存在しています。
また『医薬品等適正広告基準』では国家資格保持者となる美容師や理容師が推薦することにより効能効果や安全性の保証と捉えられるため、広告において特定の製品を「おすすめです!」などとコメントし推薦するケースは不可とされています。紹介する場合は医薬品的効能効果に触れずに、使用した際の個人の気持ちを述べたり化粧品の説明に留めましょう。
上記の法律は既にご存知の方が多いとは思いますが、把握しているつもりでも実は法律に抵触する可能性がある表現を知らず知らずのうちに使用してしまっていることも多いものです。
内容に問題があるとどうなる?
美容室のホームページをはじめ、集客ポータルサイトや各媒体、ブログやSNSなどで情報発信する際の表現方法には十分に注意する必要があります。
これらが守られていないと例えば美容室の集客ポータルサイト上で表示されなくなってしまったり、サービス利用停止となる可能性があるだけでなく、消費者庁や行政から措置命令が下され、従わなければ懲役や罰金が科せられることもあります。
実際、通常の効果よりも高い効果が出るような表現に惹かれて来店されたお客様に施術しても、結果が伴わなければお客様の満足は得られずトラブルになることがあるかもしれず、お店の評判が下がってしまえば結果的に集客とは逆の結果になってしまいます。トラブルを防ぐためにも、集客を成功させるためのメニュー名や紹介文の作成には注意が必要なのです。
集客率アップへと繋げるメニュー名を作成する時の注意点
業種別のNG例
集客率アップのために、どの美容室も「できるだけ魅力的なメニュー名を作成したい」という思いがあることでしょう。しかし、前述のように景表法や薬機法を考慮する場合に実際にはどんな表現がOKで、どんなキーワードがNGなのか、熟知している人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、よく使われがちな表現のNG例を業種別に挙げてみましょう。
【美容室メニューでのNG例】
●健康な髪が復活、ダメージヘアを再生
実際には一度ダメージを受けた髪が健康な状態に戻ることはありませんのでNG表現となります。
●関東地区で当店だけ!日本初の〇〇で安心
「当店(当社)だけ」「日本初」など他社との差別化を図り、優位性を強調する表現はNGとされています。また、「安全」「安心」「無害」「無公害」などの安全性を意味している用語は、合理的な根拠を示せることが必要です。
●髪(頭皮)にやさしいヘアカラー
日本ヘアカラーエ業会 ・染毛剤懇話会が展開する『染毛剤の表示・広告に関する自主基準』では、「医薬部外品である染毛剤(酸化染毛剤、非 酸化染毛剤及び脱色剤・脱染剤)の作用は、毛髪(頭皮)に対する影響を全くないもの とすることは不可能と考えられる」という理由から、不適切な表現方法として記載されています。
▼【参考】染毛剤の表示・広告に関する自主基準(外部サイトへ)
https://www.jhcia.org/wp-content/uploads/2020/12/i_jishu_hyojikoukoku_20150220.pdf
【エステサロンメニューでのNG例】
●細胞レベルでの若返り
細胞レベルで変化するという、客観的且つ合理的な根拠が必要です。
●即効性と持続性に優れた施術
「即効性」や「持続性」を示す、合理的な根拠が必要です。
●10歳若い自分に出会える
加齢や老化を解消・改善する表現はNG
→「10歳年下の女性と間違えられました」といった表現ならOK
【整体メニューでのNG例】
●1回の施術で小顔矯正
その施術で顔が小さくなり、さらに1回だけで完了するような表現も合理的な根拠と証拠が必要です。
●日本で初めての技術
「日本初」「世界初」などの表現を使うには客観的な裏付け・根拠が必要です。
●最大の効果で肩こりに効く
「最大」「最高」「最小」「最速」などの表現を使うには、第三者機関による調査の実績や、事実を保証する客観的な証拠が必要です。
【その他メニューでのNG表現】
●今だけ!期間限定
期間を過ぎても同じサービスが存在する場合はNGです。
●追加料金不要
追加料金は無いはずが、実際の施術では追加料金や追加サービスによって完成するものはNGです。
●キャンペーン価格
キャンペーン価格を年中行い、常態化している場合は、NGです。
このように、注意すべき表現はいくつもあります。過去の違反事例が公表されていますので、同じ表現を使っていないか、また合理的な根拠がない表示をしていないかをぜひ確認してみてください。
上記のようなことを表現したい場合、言い換えることでOKになる場合もあります。
例えば、
●肌を明るくする →NG
●肌を明るい印象へ →OK
のように、少し言い回しを変えることで、OKとなる場合も多くあります。
表現方法を工夫することで、うまく施術やサービス・商品の魅力を伝え、集客率アップに繋げましょう。
集客率がアップする魅力的なメニュー名とは?
集客率が左右されるメニュー名の重要性
美容室等のメニュー名において記載NGとなる具体例がわかったところで、今度は集客率アップを成功させるメニュー名の付け方を見ていきましょう。わかりやすく施術内容がイメージしやすいメニュー名であることは、お客様が予約を決める際に大変重要な要素です。
特に集客ポータルサイトを活用する美容室の場合には、競合美容室の掲載も多くあるため、ただ掲載しているだけでは集客率はなかなか上がりません。美容室の特徴やメニューの魅力をわかりやすく伝え、お客様に印象づける工夫が必要です。
美容室の集客ポータルサイトから美容室予約をするためにお客様が必ず目にして選択するものは、予約の日時とメニュー名(クーポン名も含む)です。同じ内容でもクーポン名やメニュー名が異なるだけで予約率が変わるとも言われています。
美容室のメニュー名(クーポン名)は、そのメニューの詳細ページを開かなくても施術内容の8割程度が理解できるものであることが良いネーミングのポイントとなります。
「詳細ページ」を見られるのはメニュー名に興味を持たれた後であり、メニュー名に惹かれなければ詳細ページは開かれません。だからこそ美容室の集客率アップには「メニュー名」が重要なのです。メニュー名を見ただけで、施術後の姿がイメージできるようなタイトルを付けましょう。
集客率アップ!予約されやすいメニュー名のポイント
それでは、予約されやすいメニュー名の付け方のポイントを4つ紹介します。
参考にして、ぜひ美容室の集客率アップを目指しましょう。
(1)施術後の状態をイメージさせるワードを入れる
施術によって、どのように変化するのかが分かるワードを入れましょう。悩みや願望を言語化することで、イメージさせやすくなります。
例えば、美容室の場合
褒められ美髪/美フォルム/大人かわいい など
(2)メニューごとの特徴やセールスポイントを明確に言語化
他メニューとの違いを、そのメニューの特徴として具体的&簡潔に書きだしましょう。メニューの特徴や違いが明確だとお客様が選びやすくなります。
例えば、美容室の場合
透明感/抜け感/発色/ツヤUP/似合わせ など
(3)専門用語を使わない
専門用語や略語は避けましょう。
ずっと同じ業界にいると、専門用語が当たり前になってしまいます。しかし、業界知識がないお客様が分かる言葉で表現しないと、メニューの魅力は伝わりません。
特に美容室の集客ポータルサイトや予約サイトのようにコミュニケーションを取らず、お客様が一方的に閲覧するだけで完結してしまう世界では「分からない」=選ばれないに直結します。集客を成功のためには、お客様に伝わる言葉を意識して使いましょう。
(4)ターゲット層に合わせた言葉選び
ターゲットの世代や性別によって、響く言葉が変わります。
同じことを表現するにも、ターゲット層に合わせて使う言葉を変えてみるのも集客率アップに繋がるのでおススメです。聞きなじみのある言葉を見つけることで、興味を刺激します。
自分と違う世代ではどんな言葉が響くかピンとこないかもしれませんが、言葉集めの方法としては、SNSを閲覧していると自然と集客したい世代で今使われている言葉やトレンドがリアルタイムで分かるようになります。
上記のポイントを踏まえ、集客率がアップするメニュー名の例を年代別に挙げてみましょう。
美容室の場合、例えば・・・
『カット×ブリーチカラー¥7,980』
というメニューがあったとします。このメニューの魅力を伝える表現例として
A.ターゲット:10代~20代前半、女性
【外国人風】イメチェンカット×発色がキレイな光沢ブリーチカラー¥7,980
B.ターゲット:30~40代、女性
【まとまる美髪】デザインカット×ダメージケアブリーチカラーでツヤ&透明感UP!¥7,980
このように具体的なターゲットをイメージしながら文言を考えてみると良いでしょう。
魅力的なメニュー名をたくさん増やして、美容室WEB予約ページからの集客率アップを目指したいですね。
WEBページからの集客率をアップさせるには?
自店専用WEB予約ページへの訪問者数を増やして集客率アップ
前半では、お客様から「この美容室に行ってみたい」と思ってもらえるような、集客に繋がるメニュー名を作成するポイントや注意点などをご紹介しました。
後半は、自店専用WEB予約サイトでの集客率アップを成功させる具体的な方法をいくつかご紹介したいと思います。
美容室WEB予約の集客数をアップさせるには、まずお客様に自店のWEB予約サイトを知ってもらう必要があります。
美容室の公式サイト等にWEB予約ページへのリンクを設置することはもちろん大切ですが、それだけでは十分な集客には繋がらない…という場合は、別の場所にもWEB予約ページへの導線を複数設けることで訪問者数を獲得し集客率をアップさせていきましょう。
WEB予約ページへの訪問者が魅力的なメニュー名を目にすれば、WEB予約数の増加に繋がります。
1.美容室の集客ポータルサイトとの相互連携
まず考えられるのは美容室の集客ポータルサイトをはじめとする他媒体への掲載です。競合の美容室が多い中ではありますが、新規顧客を集客するためには有効な手段の1つです。
美容室の集客ポータルサイトをはじめ、口コミサイト、地域情報紹介サイト、美容室検索予約アプリなどの媒体も活用しましょう。
2.LINEのリッチメニューにリンク
LINEはメッセージを配信するだけでなく、ビジネスアカウントを開設することでリッチメニューを固定表示できます。そこに自店のWEB予約へのリンクボタンを設置すれば、お客様は予約が取りやすくなります。LINEのメッセージで美容室のクーポンやお知らせを配信し、お客様が確認するタイミングで美容室予約へのボタンが表示されていれば、そこからすぐに予約への道筋をつくることができ、集客率アップへと繋がります。
3.SNSのプロフィール欄にリンク
Instagram、Facebook、TikTokなどのSNSページを開設している美容室なら、そのプロフィール欄にWEB予約ページのURLを設置しリンクさせて集客しましょう。日頃の情報発信の中でお客様にヒットするものがあったとき、わざわざ美容室名を検索しなくてもタグなどからすぐに予約ページに飛べることは、集客率アップのためにはとても重要なポイントです。SNSの場合「気になる投稿を見る→プロフィール欄を見る」という流れが生まれます。SNSではまだ来店したことがない見込み客に対してのアプローチもできるため、プロフィールが充実していると新規のお客様でも美容室の情報を知ることができ、予約への誘導もスムーズです。
Bionly(ビオンリー)のWEB予約サイトを活用して集客率アップ
追加料金無しで専用WEB予約サイトと顧客アプリが使える
美容室・サロン専用のiPad顧客管理POSレジシステム Bionly(ビオンリー)では、追加料金無しで自店専用のWEB予約サイトと予約が取れる顧客専用スマホアプリを提供しています。集客ポータルサイトの他に自店専用のWEB予約サイト&顧客アプリを持つことで、WEB予約への導線を増やすことができ集客率アップを叶えます。さらに、これらは美容室の集客ポータルサイトと相互連携ができるので、双方の予約をそれぞれの予約表に自動的に反映させることが可能です。手間なく美容室予約のダブルブッキングを防ぐことができます。
Bionly(ビオンリー)のWEB予約サイトと集客ポータルサイトを併用した美容室の活用事例
Bionlyユーザー様で、BionlyのWEB予約サイトと美容室の集客ポータルサイトを上手に併用しながら集客率アップを実現されている美容室の事例をご紹介します。
『Black Tree様』
皆さんだいたい集客ポータルサイトを利用すると思うんですけど、集客ポータルサイトはほぼ新規のお客様しか来ないから「新規の方向け」にして、BionlyのWEB予約サイトは「リピーターの方向け」というふうにハッキリ使い分けています。予約の取れやすさも工夫していますね。集客ポータルサイトの方は予約枠を制限したうえでBionlyのWEB予約サイトの方を全開であけるようにして、リピーターの方が予約を取りやすく機会損失を出さないで済むように調整しています。
― 集客ポータルサイトとBionlyのWEB予約サイトでどちらかにだけクーポンを用意するなど、何か差をつけていらっしゃいますか?
特典やクーポンは今は特にどちらにも出していませんが、施術時間に差をつけたりしていますね。例えば集客ポータルサイトであればカットを90分にしておいて、Bionlyでは60分に設定すると、60分の方が予約は取りやすいじゃないですか。
夜22時まで営業する日もあるのですが、集客ポータルサイトの方は夜19時までしか予約を取れないようにしたり、繁忙月の土日もBionlyの方だけ予約できるようにしたりして受付可能数をコントロールしています。
― 現在のご新規とリピーターのお客様の割合はどのくらいなのでしょうか?
新規が10%ぐらいですね。
― リピーターの方がすごく多いのですね。
そうですね。それも多分予約の取りやすさで、だと思います。ほぼ全員BionlyのWEB予約サイトから予約してくれていますね。
― ご新規の方には、2回目以降はBionlyのWEB予約サイトをご案内されているのですか?
はい。LINEの公式アカウントをしっかり作って、そこにBionlyのWEB予約サイトへのリンクボタンを設置しました。 「予約ボタン」を押したら簡単にBionlyのWEB予約サイトへすぐ飛べるようにしているんです。
▼インタビュー詳細は、こちらから
『Black Tree』の導入事例をもっと見る
美容室における集客率アップのための工夫まとめ
今回、美容室の集客率をアップさせるためのメニュー名作成方法やWEB予約数をアップさせるためのヒントをいくつかご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
美容室の集客率をアップするために、メニュー名を試行錯誤して反響が良いメニュー名は継続し、思うように予約に繋がっていないものは変更する…という地道な運用の積み重ねが実は大事なアクションです。使ってはいけないワードや表現には注意が必要ですが、美容室の集客率アップに繋がるものが必ず見つかるはずです。
それと併せて、美容室でWEB予約を活用することは、24時間自動対応だけでなく管理のしやすさや柔軟な対応が可能な点、電話応対の時間や手間を省けることも大きなメリットです。
さらに集客率をアップさせるため、美容室の集客ポータルサイトだけではなく、LINEやInstagramなどのSNSもうまく利用しながら自店のサイト訪問者数増加を目指しましょう。
『Bionly』POSレジに関するご相談・お問い合わせ
美容室・美容サロンへのPOSレジシステム新規導入および他社からのお乗り換え等の各種ご相談など、Bionlyへお気軽にお問い合わせください。皆様のサロン運営における課題を伺ったうえで最適なご提案をさせていただきます。
動画で見る『ipad専用POSレジBionly(ビオンリー)
【美容室お役立ちリンク】
・厚生労働省/美容業 統計情報
・厚生労働省/生活衛生関係施設数(美容所・理容所など)の年次推移
・経済産業省/理美容業分析記事一覧
・J-Net 21/独立行政法人中小企業基盤整備機構・美容院
・一般社団法人/日本美容協会
・東京都美容生活衛生同業組合
・日本政策金融公庫/美容業創業の手引き