今、話題のプチ断食法「16時間断食」とも呼ばれている「オートファジーダイエット」。
あえての2食生活で健康と若さをキープする秘訣になるかもしれないこの方法は、忙しい美容師さんにピッタリかもしれません。今回は、「オートファジーダイエット」の方法や効果そして実践するにあたっての注意点などをご紹介します。
目次
オートファジーダイエットとは？
そもそもオートファジーとは？
オートファジーとは、
細胞が自らの一部を分解する作用（自食作用）
のことです。
体内の細胞が健康的に生きていくためには、日々の新陳代謝が必要です。人間の身体は1日で1兆個もの細胞を入れ替えていると言われています。
細胞が生まれ変わるということは、新しい皮膚や筋肉、骨、脳、内臓などの細胞や組織機能を活性化し、不要なものは老廃物として排出すること。この新陳代謝を活発にすると、病気になりにくく若々しい体をつくることができると考えられています。
そのため、オートファジーを促すことでもともと人間が持っている機能を発揮、活発にすることができるのです。
オートファジーを活発にする方法
オートファジーは、食べものによって得られた栄養が十分にある状態では働きにくい機能です。
それは、オートファジーという機能が「体や細胞が強いストレスを受けたとき、生き残るために組み込まれたシステム」だからです。そのため、細胞が飢餓状態になったときなどに働きが活発化するようになっています。
ということは、あえて体内の細胞にとって「外から栄養が供給されない飢餓状態」をつくり出すことで、新しい細胞を生み出すためのサイクルであるオートファジーを活発化させることができるのです。
オートファジーのスイッチ
オートファジーの機能を積極的に活動させるために必要なこと・・・
それは、16時間の空腹の時間を作ることです。
最後の食事から12時間程度でオートファジーのスイッチが入り始め、16時間程で活発になるため、オートファジーの効果を実感するためには「16時間程度の空腹をつくること」が推奨されています。
つまり、１日24時間の中で、
・16時間：夜眠る時間を含め、食べない時間をつくる
・8時間：起きて活動している間に、2回食事をする
とライフスケジュールをつくります。
例えば、
■朝活タイプ
・7～15時までの間に、2回食事をとる
※朝食は、朝から頭と体をしっかり目覚めさせ、運動能力や体力がアップすると言われています。その後のお昼～おやつの時間帯に食事は好きなものを食べてOK。ダイエットしたい方には、特におススメ。
■午後活タイプ
・12～20時までの間に、2回食事をとる
※夜遅くまでお仕事をしている方におススメ。朝食を抜くスタイルの場合、起床後に活動をしてカロリーを消費している中、最初に口にするものが炭水化物中心のメニューだと、血糖値が急激に上がったり身体に負担がかかるため、タンパク質や野菜など糖質の吸収を抑えながら食事をはじめることがポイント。
日常生活の中にプチ断食を取り入れるうえで、栄養補給は身体を動かすパワーになることに変わりないため食事を完全に抜くのではなく、身体にとってベストな時間で栄養を取り入れることが重要です。断食中でも飲み物や少量のナッツ、無糖ヨーグルトであれば食べても問題ありません。
オートファジーダイエットの効果と注意点
オートファジーダイエットで期待されること
①胃腸を休めて体質改善
食べ物は胃や腸で消化吸収されていますが、そこに常に食べ物がある状態というのは胃腸をフル稼働させていることになります。休みなく働かせると、消化機能が弱り完全な状態で機能しなくなったり、腸内細菌のバランスが崩れ便秘や下痢、肌荒れの原因になることもあります。体内もリセット時間が必要なのです。
また、人の体は通常糖質をエネルギー源としていますが、エネルギー源となる糖質が無い状態では、中性脂肪などを分解してエネルギーにします。それにより、脂肪燃焼が促されダイエット効果が期待できます。特に、内臓周辺の内臓脂肪が減少することは体重減少だけでなく、糖尿病や心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病にかかるリスクを減らすことにもつながります。
②免疫力アップ
食べ物によって体内に栄養を取り入れすぎると、消化しきれなかった余分な栄養や老廃物が血液中に放出され、血がドロドロになり血流が悪くなってしまうこともあります。血流が滞ると臓器の機能低下や代謝能力の低下につながります。
血液は、身体全体に張り巡らされた血管を通して、身体の維持に必要な酸素や栄養分を届け、体内でできる老廃物や二酸化炭素を運び出していますが、排出すべき荷物が多すぎることで動きが鈍化してしまうのです。
しかし、断食をすることにより、血液中の余分な栄養や老廃物を代謝させ排出することができ、血液や血流をキレイな状態に戻すことができます。
さらに血液の中には、ばい菌やウイルスなどから身体を守っている白血球があります。白血球は病原菌を貧食していますが、血液中に栄養がたくさんあると白血球の働きは低下します。空腹になり血液中の栄養分が少なくなると、白血球は有害物質や余剰物を分解するようになります。ばい菌やウイルスだけでなく、がん細胞やアレルゲンも処理するため、結果的に免疫が高まるのです。
③記憶力アップ
空腹は、記憶力を高めるとも言われています。それは、空腹のときに胃から分泌される食欲促進ホルモン「グレリン」がポイントとなります。グレリンは、胃腸の働きを良くしたり自律神経の働きを調整するほか、分泌されると新しい脳細胞の成長を促し、加えて脳細胞を老化から守る働きがあります。
「空腹だとイライラする」という経験のある方もいるかもしれませんが、このイライラが実は集中力を高めるのに最適とされています。動物は、生きていくためにもともと飢餓状態になると集中力と緊張感が高まる生き物です。例えば、野生では満腹状態で獲物を捕まえるというエネルギーを使うことはしません。飢餓状態になるからこそ、獲物を捕まえます。そんなときこそ、集中力と緊張感がもたらされるのです。
つまり、脳が飢餓状態に近いと感じているときほど、集中力と緊張感により効率のよい行動が取れるようになるのです。接客や勉強、バックオフィスの作業など、生産性を上げることができるかもしれませんね。
無理は禁物！オートファジーダイエットの注意点
オートファジーダイエットをするうえで、気をつけるべきことをみていきましょう。
①身体の状態を把握すること
目まい、ふらつき、頭痛、倦怠感、イライラなどの症状があるときは、低血糖の状態です。必要な栄養分を摂取しながら、無理をせずチャレンジしましょう。
②水分の取り方
断食だからといって、水分をとることを忘れてはいけません。
水や白湯の他、カフェインレスコーヒー、カフェインの無い紅茶やお茶はおススメです。また、栄養素を補給する飲み物として、酵素ドリンク、具無し味噌汁、甘酒、スムージーも飲んでOKです。
ただし、空腹時に飲むと胃腸に負担をかける飲み物もあるので注意が必要です。例えば、カフェインを含むコーヒーなどの飲み物、アルコール、清涼飲料水、牛乳、無調整豆乳などは注意して控えましょう。
③薬の服用や疾患がある場合
薬を服用している人や疾患がある人は、主治医に相談してから行いましょう。
④女性の方
女性は生理のタイミングによって身体の栄養吸収率が変わるため、タイミングとご自身の体調をよくみて行いましょう。
プチ断食と言えど、無理は禁物です。身体の内臓や細胞を休ませリセットし、活動力を増やすことで健康的な身体をつくることが目的です。また、同時に運動や軽い筋トレを行うことで、高いダイエット効果も期待できます。ご自身のライフスタイルに合わせて行いましょう。
オートファジーダイエットのポイントまとめ
●16時間の空腹時間をつくるのは、睡眠時間と合わせることで無理なく行いましょう。
●2食にしたからと、1食ずつの量を増やしては意味がありません。適量を続けましょう。
●週に1回でも効果は認められています。少しずつライフサイクルを変えてみましょう。
●プラスで運動を取り入れると、高いダイエット効果も期待できます。
●とにかく無理はしないこと！ご自身の身体の状態を把握しながら行いましょう。
不規則な生活になりやすい美容サロンサービス業でも、やり方によっては、健康力を高める方法があります。「意識してなかったけどやっていた！」ということもあるかもしれません。健康的な身体をつくるためのオートファジーダイエット。メリットと注意点を理解したうえで、実践してみるのはいかがでしょうか？
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