“営業か?休業か?” コロナ禍の緊急事態宣言で揺れる美容室の今 –CASE4

緊急事態宣言が発令されたものの、休業要請からは除外された美容室。
「不要不急の外出自粛」が呼びかけられ来客数の減少が気になる今、営業を続けるべきか、休業を決断するべきか…他店はどうしているのか、気になることと思います。
そこでBionlyでは、美容室へオンラインインタビューを実施。

第4回目は大阪市で現在も営業を続ける3店舗のサロンをもつオーナーの前川 征一郎氏と、都島駅から徒歩2分の場所にある『moc』の店長、シマモト ヒトミ氏にお話を伺いました。

≪取材実施日:2020年4月30日(木)≫

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CASE4:ヘアサロン『moc』

moc_内観
――今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、お店にはどのような影響が出ていますか?

前川 征一郎氏(以下、前川):会社全体として、お客様の数にしても売上にしても約半減の感覚を持っていますね。
特に緊急事態宣言後は強烈なインパクトがあったように感じていて、4月の昨対比で約60%ぐらいの着地になりそうな状態です。

シマモト ヒトミ氏(以下、シマモト):緊急事態宣言後は、新しいお客様があまり増えませんでした。来店されるお客様が不安に思われないように、SNSやお店のブログなどで「感染予防対策しています」と発信はしていますが、キャンセルされたお客様がまた戻ってきてくださるかどうか、不安なところはあります。

――そんな状況でも、営業を続けていこうと決断されたのですね。

前川:スタッフの健康や不安な気持ちも痛いほど感じていましたので、正直迷いましたが、結果として時間を短縮して営業を続けることにしました。美容室は休業要請の対象にはなりませんでしたので、幹部には「この仕事は社会的に意義のある、必要な業種なのだ」ということを伝えました。その気持ちがある人は、できればこれからも助け合ってお店は開けておこう、と。

シマモト:中にはお子様がいらっしゃる等の理由で出勤できないスタッフもいますが、出勤しているメンバーだけでも「できることをしよう!」と一致団結して頑張っています。

――お休みされている方もいらっしゃるのですね。

前川:今はだいぶ落ち着きましたが、緊急事態宣言直後にスタッフの心理的な不安が現れてきましたので、1人1人ヒアリングしたうえで、来れる人だけでやっていこうということになりました。感染リスクを最小限に抑えるため、電車通勤のスタッフは時差出勤をしたり、自動車通勤を許可するなどして、話し合いながらひとつひとつ対処している状況です。


――営業中は、どんなことに気をつけていらっしゃいますか?

シマモト:マスクは必ず着用しているのと、店内を常時換気し、空気除菌で次亜塩素酸水を噴霧しています。来店いただいたお客様には手指消毒をしていただきますし、スタッフもお客様の施術前には必ずアルコール消毒しています。あとは、お客様に触れるものは常に清潔に保つように注意しています。
密集を避けるためにスタッフも時差出勤をしていますが、お客様のお席もぎゅうぎゅうにならないように2席以上空けてご案内するよう工夫したり、他のサロンさんのブログ等をチェックして感染予防の手段を真似たりもしています。

――来店されるお客様のご様子はいかがですか?

シマモト:お客様には店内での消毒のことや、スタッフが気を付けていることなどをお伝えしたうえで施術を行っています。来月の予約をしてくださる方もいらっしゃいますので、安心してご利用いただけているのだと思います。

前川氏:ここと違う店舗ですが、あるお客様から「この状況下で気持ちが少し暗くなってしまっていたのが、当日サロンに電話をしてみたら予約が空いていて、来店した際にいつも通りに接客してくれて、いつも通りに綺麗にしてくれたことですごく気分が上がった、嬉しかった」というお声をいただいたそうなんです。先ほどの話ではないのですが、改めて美容師の社会的意義、必要な職業なんだということを幹部で共有させていただきました。

――いつも通りにお店が営業していて施術が受けられるということが、お客様に元気を与えているのですね。周辺の美容室は閉まっているところが多いのですか?

シマモト:都島周辺は閉めているサロンさんが多く「いつものところが開いてないから」と、ご新規で当日予約してくださることも最近はありますね。いま新たにご予約される方は割と新規の方が多いです。

前川:店舗の前に「コロナ対策として、こういう対応をしています」というのを書いた立て看板を出しているのですが、それをじっと見られてお店に入って来られる方が結構いらっしゃるようです。
いまは外出自粛要請が出ていて、逆にこの近所を散歩されている方が多いんですよね。そういった際に前を通りがかったことがきっかけでこの美容室を認識してくれるのなら「見込み客が増える」ということにもつながっているのかな、と感じます。これもひとつの発信で、良く捉えてもらえたらいいなと思っています。

――時間を短縮しつつ営業を続けるとなると厳しい状況であると思いますが、融資や助成金、補助金等の申請は何か考えていらっしゃいますか?

前川:私は経営者が集まる団体に所属していて、そこで情報を入手したり相談もできる環境でしたので、既に同時並行して色々と進めています。
融資については日本政策金融公庫はもうそろそろ入金があると思いますし、あとは信用保証協会の危機関連保証についても「固定費の6か月分を目途に資金の手当てはする」と言われていますので、申請に向けて動いている状況です。
助成金についても雇用調整助成金は申請を進めていこうと思っています。
それともう1つ、これは直接関係はありませんが、うちは女性が多い職場で妊娠しているスタッフも数名おります。育児休業の助成金のようなものもありますので、今回それもあわせて申請する予定です。

――日本政策金融公庫の入金が間もなく、とは早いですね。申請は緊急事態宣言後、すぐ行われたのですか?

前川:そうですね、割と早かったです。申請してから2~3週間ぐらいだったと思います。私の場合、2週間ぐらいの時点で電話のやりとりで、ほぼ内諾を出してもらいました。ただ、いまからの申込については随時ずれていくであろうと言われていますね。

――最後に、今後の取組みとして考えていることを教えてください。

前川:「お客様とのつながりを強めること」、「売上が見込めない以上、もう一度全社で損益構造を見直そう」という2つです。
こういう状況になって、お客様との関係性が分断されてしまったと感じていますので、BionlyのCHEERBE(チアビー)をうまく使って、店舗スタッフとお客様とが直接やりとりできるような形を模索中です。
これからはおそらく、ネット上で電子取引などのやりとりをすることに慣れていくお客様が多くなってくると思います。予約も含め、美容室とお客様とのやりとりをネット上で簡単に行えるようになるということがひとつ、大きなポイントなのではないかと考えています。
2つめについては、この状況は長丁場になると思っていますので、自社の損益構造を勉強し直して、コントロールができる人材を作っていかないといけないと考えています。
幹部と「まずはこの2つをしっかりとやろう」と話しています。

シマモト:改めてお客様と気軽に連絡が取れるツールが必要だと感じています。電話番号はお伺いしていても、メールアドレスまではなかなかいただけていませんでしたので、しっかりお客様の情報を集めていくことが今後の課題だと思っています。
こういう時期だからこそ、来店してくださるお客様がご満足いただけることをしっかり考えて行動し、信頼関係をつくって、また次回につながるよう1人1人を大切に、毎日やっていきたいです。

取材協力店紹介

『moc』

【住所】大阪府大阪市都島区都島本通3-24-23 グラングレース都島1F
【アクセス】大阪メトロ谷町線 都島駅から徒歩2分
【営業時間】9:30~18:00
※現在は予約状況に応じて時間短縮し営業中
【定休日】毎週月曜日
【サロンHP】http://moc-coucheemo.jp/

■系列店紹介

COUCH Hair Dressing『COUCH Hair Dressing』
大阪市営地下鉄長掘鶴見緑地線
今福鶴見駅から徒歩5分
【サロンHP】
http://couch-hair.com/

 

cheemo『CheeMo happy hair make』
大阪市営地下鉄今里筋線
清水駅から徒歩1分
【サロンHP】
http://cheemo.jp/

 

≪取材実施日:2020年4月30日(木)≫


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