“営業か?休業か?” コロナ禍の緊急事態宣言で揺れる美容室の今 –CASE5

緊急事態宣言が発令された際、休業要請対象からは除外された美容室。
引き続き「不要不急の外出自粛」が呼びかけられ来客数の減少などに悩まされる中、他店の動向等気になるのではないでしょうか。
そこでBionlyでは、美容室へオンラインインタビューを実施。

第5回目は、愛知県名古屋市西区にあるhair salon aheadオーナー梅元 直樹氏にお話を伺いました。
≪取材実施日:2020年5月1日(金)≫

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CASE5:ヘアサロン『ahead』

―― 今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響というのは、どのあたりで一番感じていますか?

美容院は元々3月が繁忙期なのですが、有難いことに2月から4月上旬まで予約がいっぱいでした。特に、2月・3月は売上が前年比130%くらいで。 ただ、愛知県に緊急事態宣言が発動してからは予約が全く入らなくなりましたね…開業直後よりも少ないのでは?というくらい本当にパッタリと予約が無かったです。なので、正直忙しかったのは3月までで売上も過去最高でしたが、逆に4月は過去最低でした。
それでも、予めご予約いただいているお客様は4月の中旬頃まで普通にご来店いただけて、また徐々に予約が入るようになり4月を乗り越えられたといったところです。

―― 今現在、営業形態はどのようにされているのでしょうか。

今はご予約がある時のみお店を開けていて、それ以外の時間はスタッフは自宅待機という時短営業のような形です。新規のお客様もご予約があれば受け付けていますし、スタッフが出勤しているタイミングで飛び込みのご来店があればお受けして、基本的にお断りはしていないです。

―― お客様の反応はいかがですか?

新しい予約は入らなくなりましたが、キャンセルは少なかったですね。 ターゲットが美意識の高い方というのもあり顧客様からは「やっぱり美容院は営業してくれていないと困る」という声もいただいています。 その中には、もちろん医療関係者の方もいらっしゃいますし、そういう方は時間外で対応するなど配慮も行っています。
また、お店では実際に感染防止対策を行っているところをお客様に見ていただける形で、換気や消毒をしています。アピールだけではなく、ちゃんとやっているかどうかは気になりますしね。実際に、そういった光景を見て来店してくださったお客様もいらっしゃいました。

―― スタッフさんは現在7名いらっしゃいますが、出勤形態の変化やお客様の減少に対する反応はいかがでしたか?

最初の頃は危機感というより、それまで凄く忙しい日々が続いていたこともあって「ちょっとゆっくりできるかな」という捉え方でした。でも、予約が入らない日が1日2日ではなく1週間となると「これはまずい、この状態がいてしまうのでは」と徐々に不安が出てきましたし、出勤しても仕事がないというところにストレスを感じているなというのがありました。

―― 緊急事態宣言、そして予約が減っている中で休業ではなく営業継続を決断された理由は?

地域的なこともありますね。当店があるエリアは住宅地で、そこまで人が多くないため休業という判断にはなりませんでした。これがもし栄などの繁華街だったら早めに閉めていたと思います。
でも、周辺で閉めている美容室も多かったので、スタッフは色々思うところがあるだろうと、緊急事態宣言が出た翌日に緊急ミーティングを開き「休みたい人は休んでいいので正直に言ってほしい」と伝えました。 そこでスタッフから「家にいるよりは仕事がしたい。でも仕事がないのに出勤するのは感染リスクがあって不安」という声もあって、予約が入っている時だけ出勤しようという話になりました。

―― スタッフさんの意見を大事にされている印象ですが、普段から決定事項もスタッフさんと相談しながらという形を?

従業員目線と経営者目線は当たり前ですが異なります。こんな状況でも給料は全部払ってあげたいし、売り上げも維持したい。それを前提として「自分が従業員だったらどうかな」というのを考えながら自分の中で検討して、スタッフに相談しながら決定事項を下ろしています。
関係性的には…普段はスタッフ全員受け身の体制ですかね。決めてもらった方がいい、という空気を感じます。だからと言って意見を言わないわけではなく、提案も出してくれるしこちらも聞くようにしてなるべくNOと言わず、実現可能なことであれば後押しをしてあげる感じです。

―― とても良い関係性を築かれているのですね。一方で、待遇面の変更などはありますか?

勤務時間は半減していますが給与は全員そのままです。勤務していない自宅待機時間に関しては、それぞれ勉強の時間に使ってほしいという話をしています。素材を渡しているものもありますし、自分たちでSNSや動画を見てくれているかな、と。 反応は半々でしたね。家で集中して取り組めるかな?という空気は感じました。

―― 資金面での対策は既にされているのでしょうか。

3月まで売上が良かったので、正直まだ何もしていません。
ただ、5月以降もこの状況が続いていくとなるとそろそろ考え始めなければと思っています。でも、一部コスト見直しというところでは広告費が多かったので、広告関係の話は今全てお断りしていますね。 こういったお店のことに関しても、上のスタッフは連勤が続いている僕の体調面も含め心配してくれていて。助成金などの話もしながら大丈夫だよ、と伝えています。

―― それでは、最後になりますが徐々に近づいている終息に向けてメッセージをお願いします。

営業継続している以上は最大限の対策をしなければならないという責任感があります。
お客様にも無責任な来店はしてほしくはないので、今はまだないですが体調の変化がある場合はお断りすることもあると思います。本当にあとは終息することを信じて出来ることをしていくしかありません。
あとは、こういった時だからこそ、みんなに明るい気持ちになってほしい。 自宅にいる時間が長いからか、お客様はいつも以上にお喋りしてくださります。会話する機会が減ってしまったり、慣れない環境でのストレスがある中で、営業を認められている業種が出来ることをしていきたいです。
これは、スタッフにも伝えてますが、コロナの話もいいけどいつも通りのお話をすることが大事。来店することが息抜きになる、キレイになって前向きな気持ちでお帰りいただきたい、そんな気持ちでお客様をお待ちしています。

取材協力店紹介

『hairsalon ahead』

【住所】愛知県名古屋市西区八筋町24 山伸ビル1F
【アクセス】各線『上小田井』駅より徒歩約5分/ 城北線『小田井』駅より徒歩約2分
【営業時間】(平日)10:00~19:00 (土日祝)10:00~17:00
【定休日】不定休
【URL】>https://hairsalon-ahead.com/

≪取材実施日:2020年5月1日(金)≫


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