“営業か?休業か?” 緊急事態宣言で揺れるヘアサロンの今 -CASE3

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、休業を決断した美容室も増えている中、他店がどうされているのか気になるオーナー様も多いことと思います。

そこで、Bionlyでは美容室にオンラインインタビューを実施。緊急事態宣言前後での変化や対策方法などをお聞きしていきます。

第3回目は神奈川県川崎市にあるfeliceの店長、田中 佑介氏。
feliceは小田急線栗平駅から徒歩30秒という好立地の “美髪専門店” です。
休業を決定したタイミングや補助金申請・コストや経営に関する考えなどをお伺いしました。

≪取材実施日:2020年4月22日(水)≫

CASE3:ヘアサロン『felice』

―― まずは、今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響はどのくらい出ていますか?

売上は、3月が約20%の落ち込みですね。feliceは来店されるお客様の90%以上がリピーター様ということ、年齢層は30代~40代のママさん世代がメインなので、卒入園式などの学校イベントが軒並み中止になった影響でかなり予約が動き客足が減少しました。
4月は20日から休業に入ってしまいましたが、開けていても約30~40%落ちるだろうという推測でした。

―― 4月20日から休業に入られたということで、緊急事態宣言から日を置いてというのは何か理由が?

世の中の動きや予約状況、休業に向けての準備だったりもふまえて4月20日からの休業となりました。新規のお客様自体は4月以降予約を受けていません。
ただ、お客様には本当に申し訳ない、予約をずらしていただいたのは本意ではないというのが正直なところです。
これを機に仕事への向き合い方・お客様への向き合い方を初心に帰って考えようとも思っていますし、お客様からも「みんなで頑張りましょう」と励ましていただけているのはとても有難いですね。

―― その判断に対してスタッフの反応はいかがでしたか?

この決断をしたのが非常事態宣言直後だったので「すぐの休業じゃないんですか」という声はもちろんありました。ただ、これに関しては経営判断としてトップダウンの決定で。
普段は、私もトップダウンが好きではないので、物事を決めるときはスタッフと話して決めるのですが、こればかりは特例という形です。

―― なるほど、その決断や休業期間に対する不安などスタッフのケアはどのようにされていますか?

特別なケアというのはしていません。やはりこういう状況だと大前提として「仕方ないね」という話になりますし。
それに、ケアとは少し違いますが、今回のご予約キャンセルは失客に繋がるものではない、お客様が他のお店に行ってしまうわけではないという話はしました。そこでお客様の再来店率が高いことの成果が出てきた実感を持ってもらえたら良いと思っていますし、私もそう感じています。

―― そういった話を聞けるとスタッフも心強いですね。ちなみに休業期間中の活動アドバイスや指示はあったのでしょうか。

そこは迷ったんですけどね…今まで頑張ったご褒美だと思って有意義に過ごしてね、と伝えました。
お店としても「今こういうことに協力してほしい、これをやっておいて」というものはないです。むしろこの機会だからこそ、情報の正しい取捨選択の仕方が出来るようになる、成長できるチャンスだよとは言いました。
あとは、こういう状況では美容師という職業一本だと不安になることもあるでしょうから、副業もOKにしています。

―― では、様々な決断を迫られる中で、情報収集はどのように行っていますか?

私自身が主催しているセミナーで知り合った全国の美容師さんが参加するコミュニティを今年から運営しているのですが、そこで各地の状況を共有していました。
むしろ、書き手の置かれている状況・私情などが含まれてしまうメディアやSNSの情報はあまり参考にしていません。唯一、NHKはどのように発信しているかを見ていました。本当に起きている事実だけを拾えればいいというスタンスです。
そこから、自分の中で仮説を立てて二手・三手先を見て動かなければならないと思っています。

―― 先のことを見据えて、ということですね。そうなってくると、補償などの申請なども既にされているのでしょうか。

3月下旬に金融公庫から補償に関する発表があり、4月1日には打診していてちょうど昨日(4月19日)審査段階で問題なく進んでいるという連絡が来ましたね。

―― それは早いですね。

やっぱり、これは長期化するなというのと、お店の3月売上が既に20%減していたので融資の特別枠には入っていましたし打診しておいた方がいいな、と。とりあえず申請しておけば、状況が良い方向に変わったらあとから申請を下げればいい話なのでとりあえず早く動きました。
他にも、知り合いの飲食店さんなどはもっと早い段階から売上の落ち込みがあって、「打診しても連絡がこない」「現状待ちの状態だ」という話を聞いていたのも行動の後押しになりましたね。

あとは、給付金もそうですし、スタッフの補償に関しては国の補償を積極的に活用しようと思っています。

―― テナントや広告費に関しては?

減額の指針を出してくれている広告媒体に関しては活用させていただきますが、今回の件は美容業界に限ったことではなく、社会全体が窮地に陥っているので、減額などの交渉をこちらから行うことはないですね。そこに力を注ぐつもりもないです。

―― それでは、最後になりますが今回の件を受けての今後の取組みや感じたことを教えてください。

今回色々な状況に直面して、改めて美容業界で仕事をしていて良かったと思いました。お客様との繋がりが一回きりじゃないのが美容室の強み、お客様との信頼関係で、お店が窮地に立たされても戻ってきていただけるという確信が持てていますし、これを機に更にお客様との距離を縮められるのかな、と。
それに、理美容室が休業要請対象外になったことが波紋を起こしていますが、要するに不要不急ではない、生活に必要だという判断がされる業種というのは誇らしいことですよね。

経営者としては、助成金なども含め資金繰りやサロンの経営をどのようにしていくか、的確な判断を学ぶ大きなチャンスでした。
それに、こういう状況になると『直接来店して施術するサービス』だけだと利益がガクッと減ってしまうので、オンラインサービスもそうですし美容師は何が出来るのか、というのを考え始めるキッカケになりましたね。
どんなピンチが来ても、経営者・美容師として成長のきっかけにできる強さを持って、みんなで前に進んでいきたいと思っています。

取材協力店紹介

『felice』

【住所】神奈川県川崎市麻生区栗平1-4-26 イーグルⅠ B-101
【アクセス】小田急線『栗平駅』より徒歩30秒
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】不定休
【サロンHP】https://felice-hairsalon.com/
※4月20日から5月8日まで休業期間

≪取材実施日:2020年4月22日(水)≫


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