my select! -プロのこだわり- vol.5 ≪COMFY PLACE/露木晋也さん≫

美容室をはじめとする美容サロンで働く方々のこだわりを、とことん語り尽くしていただく大好評のこの企画。
第五回目は、東京都渋谷区のヘアサロンCOMFY PLACEオーナーの露木晋也さんです。

ヘアサロン『COMFY PLACE』露木晋也

1994年に美容師のキャリアをスタート。トータルビューティーサロン「uka」に25年間在籍し、多くの著名人を担当する傍ら雑誌の撮影、セミナー、ヘアーショーなども行う。同社取締役を経て独立。2019年8月に「COMFY PLACE」をオープンする。『365日快適に扱える髪』をモットーに、その確かな技術とお客様に寄り添った提案が人気を呼んでいる。

 

 

 

香りを楽しみに、美容室に来ていただけたら。

―― 露木さんの『こだわり』はシャンプーと事前にうかがっているのですが、現在サロンでは何種類くらい扱っているのでしょうか。

施術で使用するものだと10種類くらいですね。
そのラインナップは、もちろん髪質やこの後の施術に合うかといった部分はありますが、香りをお客様の気分に合わせられるようにというのを重視しています。

――というと?

美容室に行けば自分の好きな香りに会えるという感じです。お客様には、シャンプー施術前に「今日はどの香りにしますか?」と伺ってお選びいただいてます。
元々、サロンOPEN時からの趣向としては変わりないんですが、コロナ禍でマスクをする人が大多数の中で、常にマスクをしている生活だと香りを楽しむ機会が少なくなっているのもあって、香りを楽しむことをより重視するようになりました。

――そうすると、香りは幅広く揃えられているのですね。

そうですね。
ブランドごとにスパイシーだったりまろやかだったり…と、それぞれ趣向が違うので、その中からチョイスしています。基本、レギュラーとなるところは常に揃えて、あとは時期ごととか、期間限定でブランドを入れ替えたりとかはマメに行っています。

――シャンプーにこだわり始めたきっかけは何だったんでしょうか。

やっぱりukaにいた時に、自社製品を作っていたのもあってこだわりが強かった。それは、僕だけではなくてukaのスタッフ皆そういうところはありましたね。ただ、その時は自社のシャンプーがメインで、他ブランドのものも使ってはいたんですが積極的にというよりはukaのシャンプーを補う形でした。

独立してからも、ukaのシャンプーは気に入っているのでもちろん今も使っていますが、他のブランドも使ってみようと。それで、実際使ってみるとブランドそれぞれこだわりがあって、そこに面白さを感じたというのはありますね。

香りにこだわった理由は、月並みですが美容室に来ていただいたときの居心地の良さというのを追求していて。香りだけで言うと、お出しする飲み物もできるだけ香りがいいものを揃えて、季節ごとに分けて沢山種類を揃えています。やっぱりそれは、サロンに来ることを楽しみにしてもらえるようにですね。美容室って、ちょっと行くのが億劫になることあるじゃないですか。なので、行くことを楽しみにしてもらえるような…お会いして近況をお話ししたり、スタイルがキレイになるという楽しみとは別で「あのサロンに行くと気持ちがあがるよね」っていうプラスアルファの価値を提供したくて、香りにこだわってます。

――ちなみに、現在はどのようなシャンプーラインナップですか?

今だと…ukaはもちろん、E-STANDARD(イースタンダード)、TOKIO(トキオ)、davines(ダヴィネス)、LebeL(ルベル)、Schwarzkopf(シュワルツコフ)、O-WAY(オーウェイ)かな。ついこの間までは季節柄でSUNCALL(サンコール)も置いてました。三人でやっているサロン規模を考えると、やはり揃っている方だと思いますね。 ※ラインナップは2020年10月下旬インタビュー時
その中でも今は、イースタンダードが9月の導入以来めちゃくちゃ人気です。本当にすごい。シャンプー台で香りを試していただいて、シャンプーしている間にもう「このシャンプー欲しい!」っていう話になります(笑)

―― おぉ、それは凄いですね!
そんなシャンプーにこだわっている露木さんが今気になっているものはありますか?

え~なんだろう…あ、デミコスメティクスさんの新しいシリーズ「UTAU」がすごい良さそうだなと思ってます。直近で言いうとそれですかね。既に試させてもらいましたし、導入のタイミングを見計らってます。ただ、こういうのって旬みたいなものもあるから、入れようかな~っていうタイミングで他に気になるものが出たらそっちが入るかもしれないです(笑)

あと、シャンプーではないんですがスタイリング剤も香りの効果が大きいなって思います。やっぱりフィニッシュで付けるものだし、それだけでお客様の表情も変わるんですよ。
オイルだとukaが香りも含めて評判がいいのと、OWAY、davinesのクリームやバームも人気ですね。香りはもちろん、手に残っても顔や手に使えるものなので、最近はアルコールで手荒れを気にされる方が多いというのもあって、髪につけた後にハンドクリーム代わりに手に付けて香りを楽しんでいただけるという面でも人気ですね。

美容師を長く続けるためのシザー選びを

――それでは、ここからはシザーに関してうかがいたいのですが、現在はどちらのものを使われていますか?

実は、使っているシザーはメーカーが結構バラバラで。ひとつのブランドで揃えてという感じではないですね。

――この企画5回目にしてはじめてのケースです!では、常時使われていシザーは何丁でしょうか。

5~6丁かな。それも全部メーカーが違いますね。

――その中でのこだわりはありますか?

元々、僕が美容師になって初めてシザーを買った時代は、まだ職人中の名人みたいな方たちが作ったものを使ってました。買う時も先輩に「安物を買うな、長く使えるものを買え」と言われて、まだ若い頃なので大変な思いして買ったんですが、結構気に入っていて15年くらい使ってたかな。その時に買ったシザーの一部は今も使ってます。

そんな中で、ある時いつも来ているシザー屋さんに「シザー代えない?」と言われて。始めはお断わりしたんです。今の気に入ってるからと。そしたら「そろそろ年齢考えたほうがいいよ」と言われたんですね。
「今のは切れるしいいものだけど、人間工学に合わせたものを使うともっと楽に切れる。ねじれが入ってるとラクに切れるんですよ。」と。ちょっと構造部分は詳しくはわからないけど(笑)

実際、僕も一日でそれなりのお客様を切らせていただきますし、美容師って腱鞘炎になる人が多いんですよね。
指や腕に負担が少なく切れると言われて、いや、そんな変わらないでしょ~と思いつつ、サンプル借りたらビックリするほどラクで(笑)
「こんなに違うの?!」って。一日が終わった後の疲れが全然違ったんです。もうそれで買い替えて、それ以来愛用してますね。

――そんなに違うものなんですね…

重さ自体もそこまで変わらないんですけどね。
当時は、そこまで年齢に対して考えることはなかったんですけど…今年色々と年齢を実感することがあって、このシザーにしておいて良かったなって思いますね。美容師を長く続けるつもりでいるので、自分に無理が無く使えるものはどんどん取り入れていった方がいいんだなと。

で、実はこのタイミングでもうひとつ買い替えようかなと思ってシザー屋さんに相談しています。
これまでお話したのは女性のカットに使うシザーで、今買い替えを検討しているのは男性カットやドライカット用のロングのシザー。男性のカットってどうしても刈り上げたり細かく切ったりで腕に負担がかかるので。気に入ったものになかなか巡り合えないんですが、今のものと同じくらいの重量で体に負担が無いものが欲しいな、と探してます。

――セニングシザーはいかがでしょうか。

セニングシザーは二丁使っています。
ひとつは35%で毛量調整、髪の流れを強く作るためのもので、伝統工芸師のハヤシテルオさんの作品と聞いています。抜けがいいので髪の引っ掛かりが無くて髪へのダメージが少ないのがいいですね。
もうひとつはブラントに入れると25%、縦に入れると12%、逆向きに入れると8%と、梳き具合に合わせて必要な分量をセニングできるので重宝してます。

セニングシザーって、これは好みやスタイルなんですが僕はあまり梳けないのは好きじゃなくて。
毛流れを作る時は、ある程度しっかり梳けるもので長短を付けて、だいたいの形を作った後にドライカットやストロークカットで調整するというのが僕のスタイルです。なので、割とパーセンテージがあるやつを使いますね。
あと、セニングシザーっては気に入ったものに出会うのが難しいんですよ。同じパーセントで切っても質感が異なったりで、これまで何度か買い替えましたけど元に戻って結局ずっと同じのを使ってたりします(笑)

お客様との時間を豊かにするために色々チャレンジしてます

――それでは、最後に美容師という職業へのこだわりを教えてください。

美容師として、というと違うかもしれませんが、uka在籍時の数年前に代表の渡邉さんがその年のコンセプトとしてQOLの話をされたんですね。要は「人生の質を上げていこうよ」ということなんですが、“人生の心地よさや豊かさ、モノではないことで豊かになる” それが凄く素晴らしいなと思って。
日々の生活においても、時間の使い方や何にお金をかけるか、誰と会うかとか、やっぱり年齢を重ねてきて色々な時間も限られている中で「何が自分を豊かにしてくれるか」を考えるようになった。

そういった生活していくと、美容師ってお客様と一対一になって長く接するので、お客様の有益になる情報をどれだけ自分がもっているか、ネタ作りがすごく重要になってくなと。
なので、来店いただく度に「こんなおもしろい情報があるよ!」ってお話しできるよう、自分の決まったルーティーンだけじゃなく、お客様の趣向も考えつつ、できるだけ色んなことにチャレンジするようにしています。
それが、こだわりですかね。

SHOP INFO

『COMFY PLACE』

【住所】東京都渋谷区富ケ谷1-9-202F
【営業時間】10:00~20:00※受付は19:00まで
【定休日】毎週月曜日ほか不定休
【URL】https://comfy-place.com/