インタビュー

blanc
2021.4.23
美容サロンで働く方々の独自のこだわりを、とことん語り尽くしていただく大好評のこの企画。第七回目は、青森県三沢市のヘアサロンblancオーナーの川崎史也さんです。 ヘアサロン『blanc』川崎史也 18歳で青森から東京に渡り都内や神奈川でサロンワークを学び29歳で帰省。青森県内の大型系列サロンにて7年間勤め店長・教育担当も経験をしたのち独立し2021年1月三沢市に「blanc」をオープン。店名の「blanc」は純白を意味し、お客様・スタッフをはじめ関わる全ての方と一緒にし幸せになる色を付けていきたいという気持ちが込められている。 三沢市の美容業界を盛り上げていきたい ――こちらの企画では、皆さまの“こだわり”をうかがっているのですが、川崎さんの“こだわり”とはなんでしょうか。この「blanc」は今年の1月(2021年1月)にOPENしたばかりなので、サロンを造るうえでのこだわりになるのですが…サロンがあるのが青森県三沢市といって自衛隊駐屯地や米軍基地、そして原子力発電の処理工場があるので、地元の方はもちろんいらっしゃいますが県外から移住されて来る方が多い地域なんです。そういった県外から移住されてきた方がすんなりお店に入ってきやすいようなイメージのお店にしました。 ――具体的にはどのような?華やかなイメージのお店にしたかったんです。三沢市は地方都市なので昔ながらの美容室や、同じような雰囲気の店舗が多くて。コンパクトでアットホームな空間だったり外からお店の中が見えない感じですね。そういった中で、外からあえてお店の中が見える造りにして、内装はコンクリートの打ちっぱなしに見えますが、実際はコンクリートを模した壁紙。光を反射しやすい壁紙にすることで非日常感を演出しています。 ――写真でしか拝見できないのが残念ですが、街にあったら絶対に気になって振り返るスタイリッシュな外観とシンプルな内装が素敵です。 ありがとうございます。僕はサーフィンやアウトドアスポーツが趣味で、お客様から「やっぱりサーフショップみたいなお店にするんでしょ?」って言われたりもしましたが、もうそこは自分の色は一切出さず、コンセプトに忠実に“映え”を意識して造りましたね。そして、建築設計は美容室を多く手掛けているところではなく住宅メーカーさんにお願いしました。というのも、美容室に対しての「コレ!」というノウハウが
2021.2.12
美容サロンで働く方々の独自のこだわりを、とことん語り尽くしていただく大好評のこの企画。第六回目は、東京都品川区のヘアサロン神名美容室オーナーの神名 康至さんです。 ヘアサロン『神名美容室』神名 康至 青山・表参道エリアの人気サロンにて長きにわたり経験を積んだのち、2017年品川区大森に『神名美容室』をオープン。“他の美容室には無いプライベート空間”をテーマに薬剤からインテリアまでこだわり抜いた唯一無二の空間。顧客を第一に考えた施術が人気を呼んでいる。 自分が好きなものに囲まれる空間 ―― 今回、神名さんの『こだわり』についておうかがいしたいのですが、サロン空間やプロダクトなど “コレにこだわってる!”というものはありますでしょうか。 物で言うと…セット面の椅子ですね。数ある選択肢の中でも一番高いものを購入しました。贅沢かなと思いながらも、椅子ってお客様が美容室にいる間ずっと座っている場所なので、お客様には贅沢なものをご提供したいという気持ちで。しっかりした作りなのでご年配のお客様でも居心地よく寛いでお座りいただけます。あとは、お客様がお店に入ってきてからのストーリーを結構考えているんです。来店してから施術する中で色々な流れがあるので、場所ごとに香りを変えています。 ―― 具体的にはどのようにでしょうか? まず、お店に入ってきたときのファーストインパクトの香り。セット面に座っている時はウッド系、シャンプー時はコットン、そしてタオルも肌につけて心地いい香り、と分けています。お店がそれほど広くないのでここはこだわってますね。やっぱり美容室って「ザ・美容室」という匂いがあるので。それと、小さいお店ということもありますが、わざと商材を見えるようにしています。そうすることで、お客様も自分の髪や頭に何が使われているかわかっていただける。薬剤を混ぜる時もお客様の目の前でやって「こういう風に作るんだ」「こんなにカラー剤ってあるんだ」と、楽しめるかなと思っています。 ―― 店内の空間作りがこだわっているポイントですね。 そうですね。実は僕、結構収集癖があって(笑)10代の頃のキンケシからはじまり、中学生くらいからはスニーカーやTシャツ、その次はポスターといった感じに。Tシャツはもうずっと集めてます。ポスターは色あせないですし、集めたらそれが資産になるかなって。普通に手に入らないものや小
2020.11.17
美容室をはじめとする美容サロンで働く方々のこだわりを、とことん語り尽くしていただく大好評のこの企画。第五回目は、東京都渋谷区のヘアサロンCOMFY PLACEオーナーの露木晋也さんです。 ヘアサロン『COMFY PLACE』露木晋也 1994年に美容師のキャリアをスタート。トータルビューティーサロン「uka」に25年間在籍し、多くの著名人を担当する傍ら雑誌の撮影、セミナー、ヘアーショーなども行う。同社取締役を経て独立。2019年8月に「COMFY PLACE」をオープンする。『365日快適に扱える髪』をモットーに、その確かな技術とお客様に寄り添った提案が人気を呼んでいる。 香りを楽しみに、美容室に来ていただけたら。 ―― 露木さんの『こだわり』はシャンプーと事前にうかがっているのですが、現在サロンでは何種類くらい扱っているのでしょうか。 施術で使用するものだと10種類くらいですね。そのラインナップは、もちろん髪質やこの後の施術に合うかといった部分はありますが、香りをお客様の気分に合わせられるようにというのを重視しています。 ――というと? 美容室に行けば自分の好きな香りに会えるという感じです。お客様には、シャンプー施術前に「今日はどの香りにしますか?」と伺ってお選びいただいてます。元々、サロンOPEN時からの趣向としては変わりないんですが、コロナ禍でマスクをする人が大多数の中で、常にマスクをしている生活だと香りを楽しむ機会が少なくなっているのもあって、香りを楽しむことをより重視するようになりました。 ――そうすると、香りは幅広く揃えられているのですね。 そうですね。ブランドごとにスパイシーだったりまろやかだったり…と、それぞれ趣向が違うので、その中からチョイスしています。基本、レギュラーとなるところは常に揃えて、あとは時期ごととか、期間限定でブランドを入れ替えたりとかはマメに行っています。 ――シャンプーにこだわり始めたきっかけは何だったんでしょうか。 やっぱりukaにいた時に、自社製品を作っていたのもあってこだわりが強かった。それは、僕だけではなくてukaのスタッフ皆そういうところはありましたね。ただ、その時は自社のシャンプーがメインで、他ブランドのものも使ってはいたんですが積極的にというよりはukaのシャンプーを補う形でした。 独立してからも、ukaのシャンプー
2020.10.27
『美容サロンで働く方々のこだわりをとことん知りたい。むしろ語り尽くしてほしい!』そんな編集部の思いを元に、bionly plusでスタートしたこの企画。第四回目は、大阪府梅田駅近のヘアサロンORGANIC SALON ENGAROオーナースタイリストの峰松稔さんです。 ヘアサロン『ORGANIC SALON ENGARO』峰松 稔 「お客様と二人三脚」をサロンのスタイルとし、笑顔と癒しの空気でお客様を迎える『ORGANIC SALON ENGARO』。自身もくせ毛で悩んでいたということから、誰よりも豊富な知識を身に着け、クセ毛のカットが上手い美容師として人気を呼んでいる。また、オーガニック商材のラインナップはこだわりそのもの。常に「お客様が美容を楽しめる」提案をし続けている。 まるで温泉水のような、日本でここだけのお水 ―― 早速ですが、ENGAROさんでは「お水」にこだわっているということで、そのきっかけを教えてください。 水にこだわるきっかけになったのは、自分自身やスタッフの肌荒れですね。美容師のお肌が荒れなければ、お客様にとってもいいものということですから。 ―― たしかに。画面越しですが手がおキレイですよね。 そうなんです、実は手キレイなんです。 ―― そのこだわりのお水とはどういったものなのでしょうか。 サロンでお水を作っています。機械はタカラベルモントさんの軟水器を使用しています。その機械の貯水槽に、静岡県の陶器メーカーで創られている、日本国内の温泉地やパワースポットで採取された鉱石を練り合わせて作られたセラミックを設置して、より柔らかいお水になるよう、少しカスタマイズしてます。そのセラミックがあることで、温泉に入った後のような保湿感や癒され感…温まるようなお水になるんですよ。日本でここだけのオリジナルのお水です。 元々、お店自体ヘルスケアにも力を入れていて「イヤシロチ(弥盛地)・ケガレチ(気枯地)」という概念から、店内空間を整えています。生命体のエネルギーを正常に動かすような空間というか。店内に置いている植物にしてもそうですし、そこにあっているもの、いいなと感じたものを探してお水にも取り入れるようになりました。 ―― オープン当時から取り入れていたんですか? 軟水器はオープンから使っていましたが、セラミックはきちんとチカラを理解して、貯水槽に入れるだけ
2020.9.11
『美容サロンで働く方々のこだわりをとことん知りたい。むしろ語り尽くしてほしい!』そんな編集部の思いを元に、bionly plusでスタートしたこの企画。第三回目は、愛知県豊橋市のヘアサロンtrueal hair design代表の川嶋真幸さんです。 ヘアサロン『trueal hair design』川嶋真幸 「true」+「real」という二つの言葉が込められた「trueal(トゥリル)」をサロン名に掲げ、豊橋にサロンをオープン。“オシャレだけど気負わず気軽に立ち寄れて日々の疲れを癒せるサロン”を目指し、ひとつひとつの施術から空間作りまで日々探求中。その施術はお客様に寄り添った提案と仕上がりで人気を呼んでいる。 幅広い年代に愛される、親しみを持てるお店創り ―― まずは、川嶋さんのお店に対する『こだわり』を教えてください。 こだわり…こだわりって難しいですよね(笑)豊橋ってちょっとトレンドが遅いというか、もちろん、リアルタイムにトレンドを取り入れてる方もいますが、全体的に最先端より数か月遅いかなという印象なんですよ。そんな豊橋の方に「おしゃれ」 と感じてもらいながらも親しみを持ってもらえるようなお店の雰囲気作りを目指しています。 ―― 実際に、ナチュラル&シンプルですし前を通ると「おしゃれで気になるな」と印象に残る店構えですよね。 やっぱり幅広い年代のお客様に来ていただきたいという思いがあるので、それこそ一度担当させていただいたお客様には、おじいちゃん・おばあちゃんになっても来てもらいたいですしそれを目標にしています。あとは、美容室ってどうしても子供を連れでの行きづらさを感じてしまうんです。なので、気軽にお子様と一緒に来ていただけるよう店内にキッズスペースを設けています。 ――空間で言うと、店内はとてもゆとりがあって落ち着ける印象を受けました。 これは、豊橋という土地柄もあるかもしれませんが…やっぱり都心や繁華街に比べてスペースをもった空間を実現できるところはありますね。セット面の間隔も元々1~1.5m離れているのでナチュラルにソーシャルディスタンス保てています(笑)実は、はじめはシャンプースペースを個室にする予定だったんですが、ちょっと圧迫感が出てしまいそうだったので、逆にオープンスペースにして解放感を持たせています。 ―― 施術面ではいかがでしょうか? 今だと沁
2020.8.21
『美容サロンで働く方々のこだわりをとことん知りたい。むしろ語り尽くしてほしい!』そんな編集部の思いを元に、bionly plusでスタートしたこの企画。第二回目は、鹿児島県鹿児島市のヘアサロンgoen代表の宮田章宏さんです。 ヘアサロン『goen』宮田章宏 「鹿児島の女性を綺麗にしたい。」そして、鹿児島がおしゃれを楽しめる街になり、そこから街を盛り上げたいという思いからgoenをオープン。独自の毛髪理論と削ぎに頼らない再現性の高いカットで創られるデザイン、可能な限りダメージをさせない施術、髪質改善提案などが多くの女性から支持を集めている。 お客様の望みを叶える施術とダメージとのギャップ ―― まずは、宮田さんの『こだわり』を教えてください。 とにかく、ダメージレスの施術にこだわっていますね。そして、このサロンをOPENしてからは、自分だけがダメージレスの施術を出来ても意味がないと考えるようになり、お客様の髪の状態に合わせた放置タイムや巻きのテンション、ロッドの太さ、熱の温度などもとにかくわかりやすく簡単に共有できるように工夫して、スタッフ全員の施術レベルを同じにすることにこだわっています。 ―― 何かダメージレスにこだわるきっかけがあったのでしょうか。 自分が横浜の美容室で美容師として働き始めた時に、パーマやストレートパーマを一回でもかけると髪がダメージを受けてしまうのを「どうにかできないか?」と思ったのがケミカルの知識を勉強するきっかけでした。全力で一生懸命施術して「このお客様のために!」というのを追い求めていたけど結局髪にダメージを与えてしまうというギャップに「なんでだろう…」というシンプルな感情が湧いてきて。カウンセリングでお客様の声を聞いて、改めてダメージに悲しんでいるということがわかった時に、自分の施術に対して「悪いことをしているのではないか」という気持ちが強くなってしまったんです。 ――お客様の望みをかなえるために全力を尽くしているのにダメージしてしまう矛盾…やるせないですね。それを解決するために学んだケミカルの知識で辿りついた薬剤はどのようにして見つけましたか? ダメージレスの薬剤に関しては、最終的にディーラーさんからの紹介です。ただ、そこに至るまでにも先輩美容師さんと薬剤を研究したり、以前使っていたメーカーさんの講習会や勉強会を重ねケミカル知識を習得
2020.7.17
「美容サロンで働くプロフェッショナルな方々のこだわりをとことん知りたい。いっそ語ってほしい!」そんな編集部の思いから、bionly plusでスタートするこちらのインタビュー企画【my select! -プロのこだわり-】。 記念すべき第一回目は、新潟県長岡市のヘアサロン『ciel』代表の寺迫正悟さんです。 ヘアサロン『ciel』寺迫正悟 東京の『M・TANIGUCHI』在籍時には、雑誌掲載や講師活動の他、各種コンテストでの受賞歴も多数。後進の育成も精力的に行い、受賞者や講師も輩出している。その後、新潟県長岡市にサロンをオープン。 現在はサロンワークに専念し、幅広いバリエーションで創り分け生み出されるヘアスタイルはもちろん、積極的に取り入れているリラクゼーションメニューも人気。 すべては、サロンの“ストーリー”を感じていただくために ―― まずは、単刀直入に寺迫さんの『こだわり』を教えてください。 こだわり…人から見ると「こだわってる!」と感じるかもしれないのですが、僕の中では必要に迫られてというか。サロンのストーリー・コンセプトが【青空 普遍 心地いい】ですが、それをお客様に実感していただくために努めていたら、結果的に多岐に渡ってこだわっている感じになっちゃいました。なので「コレにこだわろう!」というわけではないんですよね。 ―― 無意識のこだわりという? そうですね。でも、以前は【おもてなしは○○、施術は○○ …】とひとつひとつコンセプトを設定してそこに自分のこだわりや想いをぎゅっと詰め込んでいたんです。お客様や僕以外の美容師さんに対して“美容師としての自分”をまっすぐ言葉で表現しているつもりでした。 それが、6年前にお店の改装をするにあたって、お客様の繫がりから大手企業のCMなども手掛けるクリエイティブディレクターの内藤 昇氏(Noboru inc.)とご縁をいただき、サロンのディレクションをお願いした際に、当時のコンセプトを見て「保険の約定とか、ちょっと面倒な家電のトリセツみたいで何も伝わってこない」と言われまして(笑) ―― それはちょっと衝撃ですね… そう。そこから多岐に渡って提案や確認を繰り返し、現在のコンセプト【青空 普遍 心地いい】に集約していただきました。シンプルな3つのキーワードになったことで、やるべきことが僕の中で明確になり、まずは「サロン時
2020.6.3
緊急事態宣言が解除となっても、休業・短縮営業の影響や引き続きの来店自粛などに悩まされる中、他店の動向等気になるのではないでしょうか。そこでBionlyでは、美容室へオンラインインタビューを実施。 第10回目は、東京都新宿区、東京メトロ丸の内線 新宿御苑駅から徒歩1分の場所にあるヘアサロン『√5 SHINJYUKU』のオーナー、水戸 佑歩氏にお話を伺いました。 ≪取材実施日:2020年5月28日(木)≫ ⇒ コロナ禍で活用したい!『業務改善助成金』とは?申請要件や必要書類などをチェック! CASE10:ヘアサロン『√5 SHINJYUKU』 ――お店やお店周辺の環境など、緊急事態宣言前後で何か変化はありましたか? このお店に関しては3月中旬ぐらいまでは何ともなかったです。でも3月中旬を過ぎた頃から、周りの飲食店系や他のサロンさんは徐々に影響が出てきていると聞く機会が多くなりましたね。 ――その後、売上等の変化は? ちょうどその頃、コロナ対応の「無利子・無担保融資」が始まるというのを耳にして、すぐに申請しに行きました。早めに動いたのでスムーズに進みましたね。4月になって客足が減って前年比47%になりましたが、融資を受けられたおかげで精神的にゆとりを感じながら過ごせていましたし、実は新規のお客様は増えたんですよ。 【関連記事】各都道府県別 行政・自治体による支援情報 ――新規のお客様はどんな方が多かったのですか? 職場近くの美容室に行っていた人が在宅勤務になって、これまで通っていた美容室に来店できず「このお店が近所で、ずっと気になっていたから来ました」と言ってくださるお客様が多かったです。あとはもともとのお客様が、お子様や旦那様を連れてきてくださるようになったパターンも増えました。 ――ゴールデンウィーク中もずっとお店は営業されていたのですよね? はい。お客様側からすると、この時期行けるところも少ないし行き場があった方がいいですよね。ゴールデンウィーク中、休業にすると15万円の協力金が出るという情報もありましたが、お店を開けていることで周りの皆様から「頑張ってるね」と言っていただいたりもしましたし、金額のことより1人でもいいからお客様の対応をした方がいいかなぁと。 ――特に、何か気を付けていたことはありますか? 消毒などを徹底することはもちろんですが、自分が色々な場所に出